『精神医学(コメディカルのための専門基礎分野テキスト)』(上野修一、谷岡哲也、大蔵雅夫 編集 中外医学社)は、その名の通り、コメディカルのためのテキストですが、内容が簡潔にまとまっているので、医学部の初学者向きとも言えます。
この本は、精神医学とは何か、そして精神疾患の分類とその例、症状、よく使われる薬などが箇条書きでわかりやすくまとめてあります。各主な疾患についても個別に取り上げ、その症状や診断基準などが述べられ、医療者としてどのように精神疾患と向き合うかについても触れてあります。まとまっているという点ではとてもわかりやすいのですが、その分類の根拠が不明瞭でややわかりにくく、そういう意味で網羅的かどうかという疑問もわきました。また、各疾患といっても、具体的なケースや症状について述べられている訳ではないので、良くも悪くもこぢんまりとまとまっているという印象を受けました。ただ、専門ではないが精神医学の枠組みをざっと知りたいという人には向いていると思います。この本を読めば、精神医学がどのようなものか、おおざっぱに把握することが可能だからです。
おすすめ度:★☆☆☆☆
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