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医学書LIBRARY

お勧めの医学書を科目ごと、診療科ごとにご紹介します。 医学生はもちろんのこと、ドクターや一般の方にも参考になればと思います。質問もお待ちしていますのでお気軽にコメントください。

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あらためまして、管理人からのお知らせ。

この度はブログをリニューアルすることに致しました。

医学書は一般の書籍に比べ、高価なことが多く、なるべく失敗のない選び方をしたいものですが、専門的な内容のものが多いので、特に、これから勉強を始めようという医学生、一般の方には、良書を見極めるのが簡単ではありません。医学書選びのお手伝いになればと、本ブログを始めました。

リニューアルの内容として、ブログ名をわかりやすく変更しました。また、ご紹介する書籍数を大幅に増やし、より多くの方のニーズに対応する予定です。ここでご紹介する本は、全て管理人が実際に手に取り、内容を吟味したものばかりです。ぜひお役立てください。
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『Essential 細胞生物学 原書第3版』(南江堂)

この本はカテゴリーが難しいのですが、生物学の研究を始める人や医学を学ぶ人向けの、分子生物学の基礎を学ぶための教科書です

『THE CELL』というもっと分厚くて詳細な解説のある本のダイジェスト版のようなもので、細胞について、生化学の基礎から遺伝学の基礎までとても分かりやすい解説ときれいなイラストで説明されています。大学の授業のレジュメに使われることも多く、買って損はないまさにイチオシの一冊です。第三版からはDVDも付いたので、より充実した内容となっています。

基礎といっても、医学の研究や勉強に使うには十分で、おそらく日本の医学研究者でも十分内容を理解していない人が多いのではないかと思われるような内容(むしろ彼らが知らないことのほうが問題なのですが)まできちんと載っています。将来までに知っておかなければならない必要最低限のことがこの一冊でだいたい学べるという感じです。とにかく、説明が平易でわかりやすいため、高校生にもお勧めできるほどの良い教科書です。


おすすめ度
★★★★★(これは買い!)


『ヴォート 生化学 第3版 上・下』(東京化学同人)

覚える量が多い割に、出ている教科書・参考書が少ないのが生化学。いったいどの本を買えばよいのが良いのかわからないという方も多いでしょう。

この本は有名な生化学の教科書で、とにかく詳しく書いてあります。授業でハイスピードで進んでしまった部分を、じっくり読みたいとか、自分でまとめて勉強したい方にお勧めです。

上巻は、
Ⅰ生化学の基礎
Ⅱ生体分子
Ⅲ酵素の作用機構
Ⅳ代謝

下巻は
Ⅳ代謝のつづき
Ⅴ遺伝情報の発現と伝達

という構成です。生化学的な理論は主に上巻に載っていますが、脂質代謝やアミノ酸代謝、ヌクレオチド代謝は下巻に載っているため、両方買うのが無難です。

内容はかなり詳しい分、難しいところもあるので、自分で適宜端折って読んでもよいと思います。代謝のフローチャートとか図はオールカラーでとても美しく、見やすいのでお勧めです。本によっては、二色刷りのものもありますが、図がみにくいとやる気もなくなるので、大判でカラーのヴォートはそういう意味でもとても良いです。授業でヴォートを使う先生もいらっしゃると思いますし、買って損はない一生モノの一冊です。きちんと勉強したい人におすすめです

おすすめ度
★★★★☆(難解な説明がある分専門性が高い一冊です。)


 

春めいてきました

本日は全国的に暖かい一日でした。

ここ数年、突然冷え性がひどくなった私は、暖かくなるととてもうれしいです。春になると花粉症という大敵ももちろん同時にやってくるのですが、冷えは万病のもとと言うように、冷えることはストレスと同様、体にとってとてもよくないものです

冷えを改善するグッズもいろいろ買ってみましたが、やはり、足下を温めるのが一番効果があると思います。上半身が温かくても、足が冷えていると、足が冷たくて気になって全く集中できなくなってしまいます。足用のカイロや部屋で使える大きいブーツに足用の湯たんぽを入れるグッズがとても便利でした。半身浴で汗をかくのもよいと言われています。ただ、やはりお風呂から出たあとの湯冷めは禁物。しばしば逆効果です。冷たい飲み物もできるだけ飲まず、水も常温に戻してからが基本です(これは夏もです)。夏になったら夏になったでクーラー冷えというものがあるので、やはり春が一番冷え性には一番うれしい季節です。
 

ストレスたまっていませんか?

二日前の記事でも関連する本をご紹介したのですが、最近私はストレスと身体の関係について考えています。
私たちは普段、ストレスを抱えるとなんとなく体の調子が悪いのは実感しています。そして病院に行ってみると、「ストレスのせいかもしれませんね」などといわれることもあると思います。ストレスのせい、と言われると、たいした病気ではないような気がしますが(ストレスと言われてほっとすることもあるでしょう)、実はこのストレスこそが、健康にとって大きな脅威なのではないかと思いはじめました。

ストレスは、自分の心のあり方によって改善ができるので、一見対処法が簡単なように思えますが(いわゆる医療行為はあまり必要でないことがおおいですよね)、決まった治療法がないからこそ、ストレスによる不調の改善が難しくなってしまっているように思います。ストレスを’摘出’できる方法があればよいのですが、こればっかりは、他者に任せられる治療法がないのです(もちろん他者に協力してもらえる有効な方法はあります)。

しかし、だからといってあきらめて何もしないでいると、症状はひどくなり、ストレスのせいで、うつ病になるということも珍しくありません。心理療法の本を読んでいると、いろいろな解決法があります。最近は、認知行動療法というのが一種のブームのようです。これは、これは今まで効果が確認されてきた認知的療法と行動的療法を組み合わせたもので、高い期待が寄せられています。私も実際に始めてみることにしました。今後、折を見てご報告いたします。

『あなたのストレス病が治る』(ヴァンメディカル)

この本を精神医学のカテゴリーに入れるのはどうかな、と思いましたが、『あなたのストレス病が治る』(桂 戴作 著 Van Medical)はストレスによって引き起こされる体の不調(心身症)について一般向けにわかりやすく書かれています

この本ではまず、ストレスがどのようなものか、また何によって引き起こされるかが述べられており、その後に具体例を挙げながら、ストレスが原因で起こる症状(潰瘍、喘息など)がどのようなものか説明されています。さらに後半では、自分のストレス状態をチェックするテストとエゴグラムによって自分がどのようなストレス病になりやすいかを探り、ストレス対処法について考えるきっかけが提示されています。

各症状についての具体的な治療法については詳しく載っていませんが(また、挙げられている例も話を聞くことや安定剤によってあまりに簡単に治り過ぎている感がある)、具体的にどのようなストレス病があるか知りたい、という方にとっては面白いと思います。心理テストのようなものもついているので遊べるし、自分がどのくらいストレスにさらされているか考えるきっかけになるでしょう。

おすすめ度:★★★☆☆

『睡眠障害を治す本』(講談社)

『睡眠障害を治す本』(佐々木三男 著  講談社)は、主に睡眠について悩みを抱える人に向けて書かれた本です。睡眠とはどのようなものか、また、不眠症などの睡眠に関する病気とはどのようなものかがわかりやすく述べてあります。睡眠と体内時計の関係や時差ぼけによる睡眠障害についても触れられています。現在の睡眠についてちょっとでも不安や不満を抱いている人は、ぜひ読んでみることをおすすめします。自分の体調について新たな発見があるかもしれません。また、睡眠についてひどく悩んではいるが、何をすればよいのかわからないし、どこに行けばいいのかもわからないという人にもおすすめです。睡眠障害に対する具体的な治療法(薬や検査など)が挙げてあるので、初めて睡眠障害のことを調べる手がかりとして、とても役立ちます。睡眠の機序についてはそこまで詳しくは書かれていませんが(というかまだわからないことが多いのでしょう)、大まかな科学的な説明も書いてあるので、気になる人は是非読んでみるとおもしろいです。

おすすめ度:★★★☆☆
 

『精神医学(コメディカルのための専門基礎分野テキスト)』(中外医学社)

 『精神医学(コメディカルのための専門基礎分野テキスト)』(上野修一、谷岡哲也、大蔵雅夫 編集 中外医学社)は、その名の通り、コメディカルのためのテキストですが、内容が簡潔にまとまっているので、医学部の初学者向きとも言えます。

この本は、精神医学とは何か、そして精神疾患の分類とその例、症状、よく使われる薬などが箇条書きでわかりやすくまとめてあります。各主な疾患についても個別に取り上げ、その症状や診断基準などが述べられ、医療者としてどのように精神疾患と向き合うかについても触れてあります。まとまっているという点ではとてもわかりやすいのですが、その分類の根拠が不明瞭でややわかりにくく、そういう意味で網羅的かどうかという疑問もわきました。また、各疾患といっても、具体的なケースや症状について述べられている訳ではないので、良くも悪くもこぢんまりとまとまっているという印象を受けました。ただ、専門ではないが精神医学の枠組みをざっと知りたいという人には向いていると思います。この本を読めば、精神医学がどのようなものか、おおざっぱに把握することが可能だからです。

おすすめ度:★☆☆☆☆


 




 

『ネッターコンパクト解剖学アトラス 上巻・下巻』(南江堂)

『ネッターコンパクト解剖アトラス 上巻・下巻』(相磯貞和 訳 南江堂)は、 いわゆるアトラスのネッターのコンパクト版です。上巻・下巻の2冊セットで、持ち運びができるB6の大きさです。この本は、各見開きの左ページに図(アトラスの縮小版のようなオールカラーのもの)が、右ページに図にふった番号の部分の名称(筋肉の場合、支配神経や起始・停止や作用なども)やちょっとした説明が書いてあります。左ページだけを見て、名称などを思い出し、右ページをみて確認すれば、テスト対策になります。おそらくアメリカの学生のテスト対策用と思われる内容です。

この本のいいところは、この本を通して復習すれば、解剖学に必要な大まかな知識が身につくところです。臨床的な事項などの細かいところはカバーできませんが、暗記が必要な部位の名称はこの一冊で十分です。いちいち大きくて重いアトラスを開かなくとも、各部位の血管や神経の分布まで載っているので、口頭試問対策にも力を発揮します(ちなみに、私が解剖をしたときのクラスではほとんどの人がこれを購入していました)。ネッターの絵は見やすく、個人差による好みもあまり分かれないように思います。なお、用語は英語と日本語で書いてあります。

おすすめ度:★★★★★


花粉症対策

花粉症の時期がやって来ました。私も花粉症には毎年悩まされています。

最近、花粉症対策グッズが多く登場しています。花粉症用マスクやメガネ(目を完全防御)、鼻の内部に塗る薬など、色々ありますが、特にオススメなのがロート製薬の漢方薬シリーズ『和漢箋』の「ロート小青竜湯錠」です。この薬は、アレルギーのための薬で、鼻炎などに効果を発揮します。眠くなる成分は入っていない上、飲みやすい錠剤タイプです。私は幼い頃からアレルギー体質なので、花粉症の時期でなくとも、動物の毛やハウスダストなどちょっとしたことですぐ鼻がむずむずしたり喉がいがいがしますが、ちょっと調子が悪いときにこれを飲むと、症状がおさまっていくのがわかります。

この漢方薬はそういったアレルギー体質の人によく効く薬です。飲んでしばらくすると鼻と喉の炎症がおさまります。漢方薬は体質に合うものを選ぶと、すごい効果を発揮します。さすがは中国の長い歴史によって作られた薬です。漢方薬が効くメカニズムは実は詳しく知られていませんが、漢方薬についても、研究したいところです。最近、アルツハイマーに漢方薬が有効なことが阪大で示されたように、漢方は今後ますます注目される分野になることまちがいなしです。


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